越中式兜付色々威練韋二枚胴具足

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C-023
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物語

兜           鉄板五枚を矧重ねて頭形兜とし、黒漆をかける。脇立角本、後立角本を設ける以外に加飾を施さず、脇立は小振の木胎箔押水牛角(オレ補修)を挿す。眉庇は縁を広く捻り返した額金とし、裏を朱漆塗する。鉢金を含め、方々に漆補修をみる

              𩊱は鉄切付札五段を色々の絲で毛引に威し、肩摺板は啄木畦目と紅絲菱縫一段で飾り、日根野形に開く。うち一段目を小さく吹返し、分銅紋の据金物を打つ。

 

面具       鉄黒漆塗目下頬。金銅歯とし、汗抜孔を穿つ。裏朱は剥離をみる。垂は鉄板四段、色々に威す。菱縫は一段、畦目の啄木は二種確認でき、何れかの威替も想定できる。

 

胴           各鉄板札を黒皺韋で包み、幅広の雁木篠に仕立て、前立挙三段、後四段、長側五段の両取二枚胴に構成する。胴裏は黒韋張。両取部は盛上札とし、色々に威す。三板も黒皺韋雁木篠、金泥覆輪を廻らす。肩上も同様とし、亀甲金を包み韋覆輪した襟廻りを付す。鞐は象牙製。背には練韋板の角合当理と受筒、待受を具える。草摺は練韋七間五段の威下げ、裾板は白毛植する。

 

袖           練韋切付札六段の当世袖。紅絲で毛引に威す。黒漆塗素文の冠板は損傷著しく補墨や塗改される。

 

三具       籠手は家地を錦とし、小篠と筏金を散らす。手甲に分銅紋の据金物を打つ。家地こそ異なるが他を同仕立とする鎖脇引を付す。練韋板佩楯は黒漆部を分銅紋として周囲を箔押する。一文字や力韋、踏込を持たない。家裏大破。臑当は黒漆塗の太い五本篠で、立挙は亀甲金を包む三ツ割。

 

附属       黒皺韋貼の一荷櫃は分銅紋を箔押するが経年の損傷が進行する。

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