入札・出品方法
土佐派であろう軽妙で正確な筆致をみる。即位式を描いた扇面の例を寡聞にして知らない。額装に添えられる「女院御所持扇子」の紙片から、女帝の明正天皇(在位・1629~1643)もしくは後桜町天皇(在位・1762~1770)の所持を予感するが、画調から後桜町天皇の所持を想起するが、添紙に「宝永三年(1706)云々」の年期が見られ、所持方および作期にかかわる問題を複雑にしている。