入札・出品方法
愛染明王の信仰が隆盛するのは平安期以降のことで、調伏から敬愛まで様々な修法に用いられた。本像は三眼六臂で、五鈷杵や五鈷鈴、弓矢、月輪、未敷蓮華を執って蓮台に坐す。特徴的なのはその対称性で、円相中の火焔や宝瓶から零れ落ちた七宝の配置にまで気を配る。また、宝瓶を支える蓮華が大形である点も特筆する。赤色忿怒相の像容や裳の彩色文などについては、伝統的な形式・表現法に則るものである。 本紙天辺の一部は失われたようで、近年の改装により、新高野裂を補う。