加賀具足 KAGA GUSOKU YOROI set

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出品オークション
品番
C-001
商品カテゴリ
その他
一荷櫃(塗漆)

物語

加賀金工による装飾は精緻の作、威絲による配色の妙も印象的である。
兜鉢の後正中と胴の馬手、籠手の冠板に、福田光孚と中振孚近の連銘を確認する。福田光孚は雲海光定門人で、本品も至妙の作であり、また合作銘であることの資料的価値も指摘できよう。


鉄錆地の八枚張とし、厘劣りの座星を各板二行、前正中は三行、眉庇の北斗七星に合わせ七点ずつ打つ。金工八幡座は八段を数える。一本角本には金工猪目透の前立を宿す。眉庇は黒韋貼として、鍍金北斗七星を飾る。三光鋲は精緻の奈良菊とし、小桜鋲で小縁を留め、鍍銀覆輪を廻す。𩊱は座金付赤銅菊鋲で腰巻に留められ、板札三段を萌葱絲で素掛に威す。肩摺板は黒皺韋で包み、白絲と紫絲で菱縫する。両端に猪目を透かす。一段目は覆輪吹返とし、金工釘抜紋を据え、紅絲と紫絲の菱縫と啄木耳絲で飾る。

面具
鉄錆地に鑢目をかけた目下頬。垂は𩊱と同手の四段ながら、裾板の菱縫は白・紅・紫を効果的に配色する。面、垂共に裏朱。


非常に細かい鑢目をかけた二枚胴。金具廻りは横向きの鑢目で、上部を縄目、下部を切鉄装飾で覆輪する。胸板には唐草の切鉄装飾を飾り、金工釘抜紋を据える。肩上にも縦に鑢目を入れ、縄目覆輪を廻す。また、釘抜紋座金とした総角付鐶、両乳鐶を具える。腰取は萌葱、白、紫絲で色々に威す。草摺は七間五段。胴裏は布目の見える箔押とする。

三具
籠手は家地に蝦夷錦を採用し、金具には切金装飾を施す。鎖も加賀金工の手による。佩楯と臑当は寄せを想定せねばならない。

附属
溜塗一荷櫃が一対添う。胴は網目覆輪をかけた二枚胴で、非常に細かい鑢目を全体にかける。鑢目は本体に縦に、金具廻りは横に流している。その他胸板の切鉄唐草文など洗練されたデザインとなっている。籠手もいかにも加賀らしい切鉄装飾。兜鉢裏、胴の馬手、籠手の冠板に銘があり、福田光孚と中振孚近の合作であることが知れる。福田允孚は雲海光定の門人で、さすがに上手であり、合作銘の作例としても資料的価値も高い。

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