入札・出品方法
総体を鉄で形成し、黒漆で塗固め、胸に絵梨地で猪目付の幕様を蒔絵する。鉸具頭と刺金につづき三階松紋の紋金物を置き、四目菱の紋を透かし、母衣付孔を穿つ。踏込は下塗に朱漆を施しており、上塗の黒が擦り減って「黒根来」の仕様だと知る。注目されるのは踏込の中央に穿たれた孔(中丸に長方)である。水馬鐙の一種(水抜孔)かと思わせるが、伊勢神宝鐙の孔(102回A-013)に似た工作であり、その関連を想像すると興味が尽きない。