宮内村角森久兵五 牛黄は牛の胆嚢にできる結石、すなわち胆石で、古来より漢方の薬として重宝されてきた。
薬理作用には、血圧降下作用、解熱作用、低酸素性脳障害作用、鎮痛作用、鎮静作用、強心作用、利胆作用、鎮痙作用、抗炎作用、抗血管内凝固作用などが挙げられている。
中国ではB.C1からA.D2世紀ころに成立したとみられ、最古の薬物書である『神農本草経』に記載されている。
牛黄をもつ牛は千頭に一頭ぐらいで、高価な薬剤としても知られる。
日本では『続日本紀』に文武天皇二年(698)の条に、牛黄の献上が記録されている。
牛玉の呼称は、まさに玉のごとく珍重されたことに依るものであろう。