明治三十一年一月二十九日 国寳第7888号 掲出には明治三十年一月付の鑑査状のコピーが附随し、「國家ノ重寶ト認メ寶物簿ニ登載ス」との記述を確認する。
当時の日本では廃仏毀釈による文化財の損壊、遺失が問題視されつつあった。そこで政府は明治二十一年に臨時全国宝物取調局を発足、宮内省図書寮附属博物館(現・東京国立博物館)と連携して文化財調査に乗り出し、明治三十年までに五千点以上の文化財を登録した。「東京府宝物精細簿」「明治三十一年国宝原簿」などの当時の文化財調査資料は、それ自体が国の重要文化財に登録されている。