入札・出品方法
長刀鉾を模したと小形の鉾を曳いて遊ぶ。鉾には高貴を思わせる人物が童とともに乗る。大人も子供も遊びに興じるが、寡聞にしてこのような祇園祭につらなる遊興図を知らない。
作期を想起させるのは画中人物の衣装である。左から二番目の綱を曳く童は、墨描の「辻が花」風を着て、婦人には慶長裂を彷彿させる小袖など古風が散見され、江戸前期の土佐派系の画人作を想起させる。経年の損傷が惜しまれるが、今に伝わらない都の風流を奇跡的に伝えている。