伊藤若冲Ito Jakuchu 鶏鵠画幅

出品オークション
品番
#035
サイズ
46×119 表具65×195
商品カテゴリ
作者
伊藤若冲(1716-1800) Ito Jakuchu
最低入札価格
¥3,200,000.~
その他
付木箱(桐) 太巻 所載コピー三 紙本 唐木軸端 『生誕三百年 同い年の天才絵師 若冲と蕪村』(サントリー美術館 2015) 『生誕300年 若冲の京都 KYOTOの若冲』(京都市美術館 2016) 『東日本大震災復興祈念 伊藤若冲展』(福島県立美術館 2019)所載

物語

若冲には鶏を飼って素描したという伝承もあり、鶏画の多作が知られる。また若冲の鶏画については、「画家・若冲の出発の契機が鶏であったことが、ここにはしなくも提示されているだろう。中国絵画の下僕としての画家ではないという主張がここにあり、狩野派や土佐派とも一線を画す画家に自分を位置づけていることに気づかねばならない」(前掲書『伊藤若冲展』2019)という専門家の指摘もある。

鶏を飼い始めた知人の感想を思い出した。「鶏の動きを見ていると飽きることがない。今更だが、若冲は仕草や表情、感情だけでなく感情を描いているようだ」。

掲出に戻ろう。「左脚で大地を掴んで右脚を挙げ、中空に視線を投げ、嘴を拡げ、声帯を震わせている。ここでは、通例の「竹に鶏図」ではなく、「鶏鵠図」と題した。掲出では竹が添えられており、夜明け前の一番鶏のそれではない。同系の雄鶏の図形は、着彩画「旭日雄鶏圖」(Price Collection)をはじめ、数例を簡単に見出すことができる。その定形化に、一言居士でもあったろう若冲自身を感じる。

 

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