鉄錆地六十二間筋兜付木目肌韋包二枚胴具足

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品番
#022
年代
江戸時代 Edo period
商品カテゴリ
作者
兜 頬 根尾正信 Neo Masanobu
最低入札価格
¥2,200,000.~

物語

兜              鉄錆地六十二間筋兜。前方に稍尖り、天辺と肩は共になだらかな姿形を採る。八幡座は計八段を数え、座金付四天鋲と響孔、笠印付鐶を打ち、後正中の腰巻際に太い角本を立てる。後の立物は、木胎黒漆塗の蓮弁に種字を蒔絵し、棒状の金物を十四挿す(一本欠失)。管見して桃山時代に流行した馬藺を思わせるが、金具が一様であることや、蓮弁と種字からして後光を趣向したものであろう。後正中裏には「根尾正信□」の鐫銘をみる。眉庇は当世形、菖蒲韋小縁を伏縫した絵韋を充てて小桜鋲で留めて覆輪し、祓立台を置いて菊鋲三で留める。部分的な絵韋損傷は惜しまれる。金工円形前立は月輪を思わせる。吹返は一段、眉庇と同工として「丸に三丁子紋」の据金物を打つ。𩊱は五段、鉄切付板札を紺絲で毛引に威す。耳絲は啄木とし、畦目は香色、二段菱縫は紫絲で飾る。

面具         兜と同名を鐫る烈勢頬。髭と金銅歯を植え、耳に古様な六曜を透かし、丸い汗抜孔を穿つ。四段垂は凡そ錣に通底する。

胴              鉄板札を縦皺茶韋で包んで木目肌的に仕立て、前立挙三段、後四段、長側五段の二枚胴に構成する。金具廻りは正平韋を貼って菖蒲韋小縁を伏縫し、縁を大きく曲げて覆輪を廻らす。胸板には獅子の据金物三を打つ。背から地続きの肩上は絵韋包とし、垂と同工の三段小鰭を付し、襟廻りは亀甲金を紺羅紗で包んで襞を飾って南蛮的に仕立てる。杏葉は吹返と同工。両乳鐶を打ち、背は角合当理に受筒、待受を具える。草摺は練韋七間五段威下げ。

袖              冠板、化粧板を錆地とし覆輪を廻らすほかは他部位に通底。

三具         紺麻に丸文を印金した家地を採用する。錆地五本篠籠手は上膊に小さな笠形金物を散らし、手甲には切鉄花を飾る。骨牌金を置いた鎖脇引を付す。練韋佩楯は胴板札と同様に仕立て、丸龍を描く。絵韋を蛇腹伏した力韋と一文字を付し、鞭差孔、踏込を有す。錆地七本筒臑当は立挙に亀甲金を包む(大破)。

附属         黒皺韋貼の一荷櫃は稜を箔押し、三面に家紋を彫付ける。

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