鉄錆地十八間筋兜付段替威胴丸Russet Iron 18-Ridge Suji-kabuto (Helmet) Included, Laced Dangae Do-maru (Armor)

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物語

Russet Iron 18-Ridge Suji-kabuto (Helmet) Included, Laced Dangae Do-maru (Armor)

鉄錆地十八間筋兜付段替威胴丸

啄木打の色糸は白、紺、萌葱、紫の四色で、伏縫にも共通する。また威絲は白、萌葱の段替で統一され、三具に使用される蛇腹伏も同じ組合せの色糸を使う徹底ぶりを見せる。

 

兜           鉄錆地の鉄板二十四枚を矧ぎ合わせ、各間の中央に五点ずつ整然と打ち並べた張留鋲で留める。姿形は僅かに前に伸びた大円山で、前後正中三間は筋を立てずに先に箔押しておき、その上に枝菊透金物を置いて二方白とする。篠垂は槌目地としており、小刻座金二を重ねて前に三条、後に二条垂らす。腰巻に置く桧垣も槌目地。天辺の穴径は大きく、枝菊透の座金に裏菊、表菊、小刻、槌目地玉縁を重ねて八幡座とする。四天鋲と響孔は低い位置に取り、表裏菊座金の笠印付鐶を高めに打つ。眉庇は菖蒲韋の小縁を伏縫した絵韋を貼って大振りの小桜鋲で留め、素文覆輪を廻らす。三鍬形台は枝菊透とし、中央に挿す三鈷剣は柄部を槌目地とする。𩊱は鉄板札を両面黒漆塗として毛引威し、饅頭形に開く。肩摺板は菱縫を二段飾る。吹返は二段、一段目を眉庇の仕立に通じた覆輪懸とし、五三桐紋の据金物を打つ。二段目は畦目、菱縫各一段を飾る。なお後正中鉢裏に「二十五代孫 明珍宗邦作」と朱書される。明珍家二十五代孫、即ち二十七代は宗邦を名乗っており、明和寛政頃に活躍している。

面具       鉄黒漆塗の目下頬。総体として皺を大きく打ち出し、頬は痩せて顎が先に尖る。髭を毛植し、顎下に緒便釘を打ち、大振りで古風な六曜を透かして汗抜孔とする。鼻金具の孔は猪目透。裏朱。垂は𩊱と同工で三段を絵韋で蝙蝠付し、金銅魚子地枝菊毛彫の入八双金物三を置いて奈良菊鋲各二で留める。

胴           黒漆塗した鉄板札を採用し、前立挙二段、後三段、長側四段で構成し、四所を蝶番繋ぎした胴丸形式で、よく古式に則った体裁をとる。背は内側に撓み、腰に向けてやや窄まる姿形をとる。裏は各板札に茶韋を貼る。三板は板札に啄木絲で花緘みし、垂と同工の金物で留める。胸板の絵韋には下半が見えづらいものの不動明王の種字、左脇板には「八幡」の字をみる。前立挙一段目には裏菊、小刻を重ねた座金の両乳鐶を打っている。背は入隅四方座金の総角付鐶を付す。草摺は八間五段を腰革付、内へ強く撓む。

袖           鉄板札六段で裾へやや広がり、内に撓む。冠板は眉庇と同工、化粧板は菖蒲韋に紅白水引を置いて同工の入八双金物で留める。四段目には金銅魚子地枝菊彫の笄金物に赤銅菊座金に奈良菊鋲頭の水呑鐶を打つ。裏は板札毎に茶韋を貼るので足掻きがある。

三具       家地を浅葱地丸龍文銀欄として通底させる。鉄黒漆塗籠手は下膊を七本篠として白絲綴し、上膊は五本篠と五列三行の骨牌金を鎖繋ぎする。練韋本小札佩楯は踏込式で、爪菖蒲韋の一文字、力韋を蛇腹伏する。臑当は七本篠で中央の篠に鎬を立て、各篠を萌葱絲で綴じ付け、立挙は亀甲金を白羅紗で包んで萌葱菱綴、萌葱色糸で這縫し、素文韋で覆輪する。鉸具摺は小桜韋。

附属       黒塗一荷櫃にも五三桐紋を据える。立物を収める古製の桐箱が添う。五三桐紋も打った仕立を通底する杏葉は片方を欠いている。

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